ナラタージュ
島本理生さんという作家さんが好きだ。
彼女の書く物語はいつも切なく、でもそれは愛があるこそで、常にあたたかく。
図書館で彼女の小説を色々借りて読んだ。でもどうしても読みたかった本が図書館にはなかった。
そんなある日、その読みたかった本が映画化されることを知った。
主演は私の大好きな有村架純ちゃん!
これはやはり原作を読まねば、と急いで本屋へ直行。
子どもが寝て、仕事が終わると読書に没頭した。
「ナラタージュ」
女子大学生の工藤泉と、高校時代の教師であった葉山先生の物語。
演劇部だった泉は葉山先生に呼ばれ、現在の高校3年生の部員たちのために、最後の公演に出てくれと頼まれる。
そしてそれを機に葉山先生、高校時代の仲間たち、新しい出会いと物語が始まっていく。
という話。
とにかく切ない。
運命と呼ぶべき2人が結ばれるのが、なぜこんなに切ないのだろうか。
誰にでも忘れられない恋があると思うけど、きっとこの2人の恋は「恋」と呼べるほど軽くない。
相手が幸せならそれでいいと、心から思っている2人の間にあるのは「愛」そのものではないだろうか。
最後の最後まで胃のあたりがグッと締め付けられるような、本当に切ないのに素晴らしい話だった。
映画化されてどうなるのかものすごく気になるから、公開されたらすぐに観に行こう。
まだしばらく余韻に浸っていられるな…